正直・丁寧・真面目な生き方

~学生時代のアルバイトで学んだ事~

私が大学生の時、塗装屋さんのアルバイトをしていた事があります。周りの時給が580円の時に、そこだけ700円だったこともあり、そこに就職いたしました。

有機溶剤の臭いが強く、求人募集をかけても中々応募がないような職場でした。

その業務内容は、古いペンキを剥がし、新しいペンキを塗る塗装の仕事がメインでした。

仕事がない日は営業もやっていました。屋根や壁のペンキが剥げている工場等にお声掛けして、塗装をお勧めし、契約できればその分手当を頂けるというものでした。

ある日契約が決まらなかった時に、当時の社長から、言われた一言が今でも印象に残っています。

「営業は、3度断られてからが始まりだ。」というものです。

普通の方は断られる事に慣れていない為、一度断られると心が折れてしまいます。しかし、そこでめげずに4度5度と交渉を行う事で、少しずつ話を聞いてもらえるようになり、親しくなり、信用して頂けるようになれば、話が進展し易いという意味です。

実際に、4度5度と伺ってみると、本当にこの通りでした。

また、それに加えてお客様に積極的にお勧めできたのは、その会社の塗装の美しさです。

塗装後は見違える程綺麗になっていました。

その時にも思ったのですが、自分の仕事に誇りを持つという事は、本当に仕事にとって必要な事だという事です。「営業は、3度断られてからが始まりだ。」という事を今でも時々思い出します。

今朝、何度も断られていた方から良いお返事を頂くことが出来て、ふとこのエピソードを思い出しました。「またあの社長に会いたいな。」と思った次第です。


日経新聞の記事についてです。

トヨタとキリンの記事が書かれていました。

私が若い頃、ビールと言えばキリンでずっとシェア1位をキープしていたのですが、アサヒからスーパードライが発売されてからは、アサヒに1位を奪われていました。それからずっと二番手に甘んじていたのですが、この度シェア1位になったそうです。

理由としてはコロナ禍による外出自粛で、アサヒの強みの外食産業が落ち込み、キリンの強みである缶商品など家庭内商品が加速する巣篭もり消費を捉えた事が要因です。

ただキリンHDは、業界を通じて消費が落ち込みアサヒグループ等大手が大幅減収減益の中、キリンHDはビール以外の環境分野や健康支援分野が好調で、333億円の黒字となったそうです。

世界のTOP5の自動車メーカーの中で、黒字を確保できたのはトヨタだけで1,588億円の黒字だそうです。トヨタはリーマンショックの際に一度赤字になっているのですが、その後コストカットを進めていました。その成果が出たのだと思います。

最近リニューアルした車種は、リニューアル後も同一価格帯で販売していますが、なんと生産コストの大幅なカットに成功しているそうです。このような損益分岐点を下げる為の努力が、今回の黒字に繋がっているのだと思います。

事業を多角化したり、コストカットを突き詰めていくのは非常に大変な事ですが、こういう時に力を発揮します。

我々の歯科業界も「コロナウイルス」「人口減少による競争激化」「カリエスの減少」という外的環境が厳しくなってくることを考えると、多角化やコスト削減を意識した経営が必要で、それが出来ないと法人としても生き残っていけなくなります。

我々も企業努力を惜しまず、歯科業界の「キリン」「トヨタ」でありたいと考えた次第です。


今朝、ランニングの後、友人から電話が有り、少し話す時間がありました。
「職場の人間が本当でない事を言っていた」という話で対応に悩んでいるという内容でした。

私も色々な方と面談致しますが、事実と違うなと思う時が時々あります。

その場で指摘するのは簡単ですが、そこで考えなければいけないのは、相手が自分を「騙そうとして付いた嘘」であるのか、それとも「騙そうとしていない嘘」なのかという事です。

もし、相手が自分に気に入られたい思いでついた嘘だと感じた時は、紛糾するのではなく、見て見ぬ振りをしてあげることも必要なのではないかと思います。

「嘘」には2通りあるという事を理解しておかないと、ふとした時に人を傷つけたり、結果として周りに人が増えなかったりします。

皆さんもこの事を踏まえて人と接してみると、周りに人が増えるのではないでしょうか。