先日の説明会での事です。
これから従業員の皆様が増えていき、従業員全ての皆様を把握する事が困難になっていくと思います。
先日の説明会で「規律の中の自由」という運営方針を行っていると説明致しました。
「規律の中の自由」とは即ち、最低限の規律を守った上で「規則で管理するのではなくコーチする」という運営方法です。
分院の運営にあたっては、信頼出来る方を分院長に指名し大きく権限を与え、その医院を任せて運営をして頂いております。
この「規律の中の自由」は、お互いに管理されず気持ちの良い関係にも繋がります。
更には任された先生が、一番早く大きく成長するシステムではないかと考えております。
しかし説明会で「“規律の中の自由”で運営する事は不可能ではないか」と問われました。
その学生は「自分自身のアルバイト先のオーナーは、50人程いる従業員をしっかりと把握していない。また、お互いの信頼関係が薄かった。その為、いつもオーナーから監視されている様な感覚だった。そのような関係で信頼しているとは言えず、更には管理者が成長する事は難しいのではないか」という意見でした。
私自身も正直分院が多くなった現在、従業員全ての皆様方を把握しているとは思いません。
しかしながら、知ろうとしている努力はしているつもりです。
その為、私が従業員の皆様を信頼する根拠は、
歯科医院に勤めているスタッフは皆、
「御出で頂いた患者様には皆喜んで頂きたい」
「御出で頂いた患者様にはまた来て頂きたい」
と絶対に、皆が思っているという確信です。
我々の業界の誇りは「患者様に喜んでもらいたい、良い仕事をしたい」と全ての方が思っている事ではないでしょうか。
「私は、そして我々は、この業界全てのスタッフがこの気持ちを持って仕事をしているという事を信じる。」
この気持ちは、この先も変わらないと思います。
皆様も是非御理解頂ければと思います。
DX化し、便利な世の中になるという事には多くのメリットがあります。
ここで大事な点は、メリットの裏には必ずデメリットがあると自覚する必要がある事です。
日経新聞によると、あるメガバンクが2023年度末までに、全国の支店の過半数を窓口無し等の簡素化した店舗にするという記事が掲載されていました。
口座開設は勿論の事、資産運用の相談等もテレビ電話やタブレットでの手続きで効率化を進めるそうです。
一見DX化が進み、効率が上がり便利になるという良いニュースに思えます。
しかし、DX化するに比例して「多くの人が仕事を失う」という事があるのではないでしょうか。
この様にDX化や世界のIT化が拡大するにつれて、仕事を失う人が増えるという危機意識が必要ではないかと私は思います。
「明日は我が身」です。
世の中のDX化・IT化に負けないように自分にしか出来ない強みを持つ事、更には自分の能力を上げる事が今からの世の中で必要だと考えております。
先日の説明会では「歯科業界はもう駄目ではないか。大学でも、周りの方からもその様に言われる。」という質問も頂きました。
私はこの様な質問をよく頂きます。
虫歯の減少、人口の減少、更には歯科医院の増加等から我々の業界は衰退産業と言われています。
しかし、私はそうは思いません。
衰退産業だから上手くいかないのではなく「新しいビジネスモデル」に移行出来ていないから上手くいかないのだと考えます。
スターバックスコーヒーが今のように大きな成長を遂げたのは、ビジネスモデルの転換にあります。
当時CEOであったハワード・シュルツ氏が、イタリアのカフェでエスプレッソを飲んだ際にカフェの居心地の良さに感動したそうです。
アメリカでもこの「空間の提供」をビジネスモデルにしようと思い、始めたのがスターバックスコーヒーです。
これが明らかなビジネスモデルの転換だと言えます。
現在、我々もコロナ禍で今までとは違った新しい生活様式となりました。
だからこそ我々も未来へ向けて、大きなビジネスモデルの転換が必要だと思います。
その際に何よりも忘れてはならない事は「患者様第一」がビジネスモデルに根幹にあらなければならない事です。