【著者名】カズオ イシグロ 訳:土屋 政雄
【出版社名】早川書房
この本の著者であるカズオ・イシグロ氏は2017年にノーベル文学賞を受賞した事で大変有名な作家です。
彼は長崎市出身で、5歳の時に父親の仕事の関係でイギリスに移住しております。
その為、英国と日本の両方の文化の影響を受けながら育った方です。
私は小説を多く読む方ではありませんが、この本を読んだ後は、心の中に素敵な余韻が残りました。
登場人物であるスティーブンスの執事としての仕事を通して人間は希望を持つべきだ。
しかし落胆する事もある。
そして後悔しながら生きていく事もある。と
当たり前の事を淡々と述べていた所が非常に心に突き刺さりました。
何故この様な余韻が残ったのかと考えると、カズオ・イシグロ氏自身が、イギリスと日本の二つの文化を併せ持った感受性の高い作家だからではないかと思いました。
このカズオ・イシグロ氏の作品を通して、感受性が高く、人の心が良く分かる人間でありたいと改めて思いました。
せめて、カズオ・イシグロ氏の様に感受性は高くなくとも、スティーブンスの様に人の事を知ろうとする態度だけは失わない様にしたいと思います。
皆様も是非御一読下さい。