NEWS|福岡・山口・広島・岡山・兵庫・北九州の歯科診療「医療法人宝歯会」

関係者様へ

2022年度 第4回未来セミナーが開催されました。NEWS RELEASE

2022年度 第4回未来セミナーが開催されました。

2022年度 第4回未来セミナー

実施日時:令和4年6月29日 (水) 19:00~20:30

場所:宝歯会小倉事務所

講師:木原 優文先生(九州大学大学院歯学研究院 口腔機能修復学講座 インプラント・義歯補綴学分野)

演題:連結・非連結における補綴的戦略 -何をどこまで連結固定するべきか-

2022年度 第4回未来セミナーが開催されました。

<講演概要>

皆さんはどんな場合に支台歯の連結を考えますか?―ブリッジ作製のとき,歯周病で歯が動揺しているとき,単独では咬合力に耐え切れなさそうなとき,対合の欠損に挺出する恐れがあるとき,歯冠長が短くてクラウンが脱離しやすそうなとき,部分床義歯の支台歯にするとき―これらは日常の臨床において,しばしば遭遇する状況です。

支台歯を連結する/しないの選択や連結範囲(本数)を決めるための基準として,絶対的なものはありません。一般的には,支台歯候補の歯の状態や数,それらの歯列内での配置,対咬関係や咬合力などを評価し,連結が必要・可能な範囲を決定していきます。また,インプラントによる欠損修復が普及してきた現在,インプラントをオプションに含めるかどうかによっても連結・非連結の選択は変わってきます。

補綴装置設計の目標は,機能性,審美性,清掃性を備え,かつ長期的に使用できるものにすることです。その際,装置自体はもちろん,支台歯や他の残存天然歯をはじめとする口腔全体の維持・安定を考慮する必要があります。しかしながら,装着直後は良好であっても,その状態を永続させることは困難です。経年的に生じた変化への対応を迫られる症例は決して少なくありません。そのような場合,支台歯間を連結していることでむしろ次の一手を打ち難いこともあります。

このような見地から,私は支台歯の連結は可及的に避ける,あるいは必要最小限にするよう心掛けています。その際のキーワードが支台歯同士の「キョウゾン」「キョウトウ」です。詳細については,本セミナーで症例を供覧しつつ述べたいと考えております。

<講師略歴>

1997年 九州大学歯学部卒業

2003年 九州大学大学院修了,歯学博士

2009年 九州大学病院 義歯補綴科 助教

2017年 九州大学病院 義歯補綴科 診療講師

2020年 九州大学病院 義歯補綴科 講師

 

〈所属学会〉

日本補綴歯科学会:    専門医(2010~)・指導医(2015~)

日本口腔インプラント学会:専門医(2005~)・指導医(2019~)

<参加者レポート>

N先生 (歯科医師 15年目)

セミナーの内容もそうですが、構成自体が非常に分かりやすく、知りたいことに直結しており、非常に分かりやすく勉強になるセミナーでした。クラウン、ブリッジ、義歯、インプラントと、多岐にわたる内容で、もっと時間をかけてゆっくり聞きたいと思うほど濃い内容でした。

PDの作製や調整、Brの設計など、日ごろからもっと深く考えなければと感じました。

S先生 (歯科医師 1年目)

日常の診療で迷うような点について詳しく、わかりやすくご説明頂けて良かった。また、参考資料も教えて頂けたので、自身の勉強にも活かしていきたい。バイトアップをしたいという患者様は多くいらっしゃるので、今回学んだことをしっかり診療に生かしてうまくできるようになりたい。

T先生 (研修医)

インプラントのみではなく、PD、クラウンの話にも繋がっており、非常に勉強になりました。支台歯を増やせばただ強くなるというわけではなく、それによって負担がかかる歯が出てきたり、耐久性が低下したりと、自分が知らなかったリスクについても考える機会を頂けました。今後の診療や勉強に活かしていきます。